私は現在就活中である。(教育実習中だから1か月くらい何もしてないんだけどね、ムニャムニャ)
面接でこういった質問が投げられた。
「ご自分に『運』はあると思いますか?」
即座に口を開くことはできなかった。どちらかというと、運はない方だと思うからだ。
「はい、運はありません!」と面接官に向かって言えるわけがない。(笑)
少しの間悩んで、わたしはこう答えた。
「あるほうだとは思います。ただ、肝心なときにそれが発揮できません」
これは嘘ではない。ここぞというときに運悪く失敗に終わることが多いと感じているからだ。(そしてこの面接は落とされた。最終面接だったのに)
悔しすぎて強烈に記憶に残っている出来事がある。
大好きな小池徹平さん主演のミュージカルの大千穐楽。当日券を求め劇場に向かった。最終日というだけあって大勢の人が当日券を求めて列を作っていた。わたしが最後尾に並ぼうとしたとき、女性とかち合ってしまい、どうぞ、と前を譲った。
ここまでで察しの良い方は結末が読めているだろう。
当日券の抽選は、事前に整理券が配られ、並んだ人の数だけ入ったくじを係員が引く仕組みになっている。そう。私が前を譲った女性が引き当てられたのだ。手元の整理券を見たとき、番号を呼ばれた彼女が列から離脱したとき、膝から崩れ落ちそうになった。
なんて、自分は運がないのだ、と。
私の人生、こんなことばかりである。
しかし、先日こんなことが起きた。
また舞台の当日券の話。突如沼に落ちてしまった新田真剣佑さんが出演する舞台の東京千穐楽の当日券に並んだ。
(新田さんについて話しているのでよかったら)
「何が何でも観てやる!」という気持ちで並んでいたのだが、いざ抽選が始まるとなかなか自分の番号が呼ばれない。わたしの前の人、後ろの人は早々呼ばれていたのに。そしてよぎる、膝から崩れ落ちそうになった過去。親切なのか不親切なのかわからないが、当日券に何十人並ぼうが全員分抽選を行うらしい。結局わたしが呼ばれたのは80人中最後から2番目。私の後ろにいた最後の1人はあきらめたのか列から抜けて辞退し、私が最後になってしまった。
絶望 of 絶望
しばらくすると係員に苦笑いされながら説明を受けた。「キャンセル待ちか立ち見を選択できますが、この列ですので、このあたり(最後尾付近)に並ばれている皆さんに入って頂くのは難しいかと思います(苦笑)」と。
何て運がないんだ。
ただ、好きな俳優の晴れの舞台をこの目で見たいだけなのに。わたしは何か悪いことをしたのだろうか。
この日は5月下旬で太陽が照り付け暖かかったが、絶望感で背筋がひんやりしました。それでも、立ち見でも見れることを信じて並び続けた。
すると、後ろから女性に話しかけられた。「あのぅ。チケットあるのでよかったら買ってくれませんか?」
………………!?!?!?!?!?!?!?
いや、買いますけど、入りますけど、なんで?
聞くと、手違いでチケットが複数取れてしまい余らせていたのだそう。多分、当日券の列の一番後ろにいた人に譲る予定だったのだと思う。「2階席の一番後ろで良い席じゃないんですけど…」と申し訳なさそうに言われたが、座席の良し悪しなど関係ない。入れるかどうかが問題なのだ。財布を見るとお札が崩れていなかったので、全力疾走で近くのコンビニへ向かった。
「わたし、今世界で一番ラッキーな女だ!」と思いながら劇場のある赤坂を駆けた。
支払いを終え、チケットを受け取る。なんかもう、嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。舞い上がっていた。だって、もし私がもっと早く番号を引き当てられていたら。最後尾の人が辞退しなかったら、このチケットは私の手元にやって来なかったのだから。この瞬間は本当にラッキーだったと思う。
話は逸れるが、舞台は最高だった。東京千穐楽と合わせて全部で3回入ったのだが、3回ともそれぞれ良さがあって観ていて飽きが来なかった。この日は千穐楽という特別感からか、日替わりのアドリブシーンがいつもより長く、そのシーンのあとに登場する新田さんがいつもと同じタイミングで出てきてしまったためにステージ上であたふたするというのも見ることができた。どうしよう、どうしようと立ち位置でぐるぐる回っていたのだ。かわいいったらありゃしない。カーテンコールで新田さんのコメントを聞くことができ、感無量だった。過去2回で感じなかった「目が合ったかも感*1」も覚えた(※尚、双眼鏡越し)。
思い返すと、他にもラッキーエピソードはある。
高校生の頃、好きなバンドのflumpoolがキャパが少ないライブハウスで公演を行うことになった。もちろんかなりレアな公演になる。ファンの友達が当たり前のように落選する中、わたしは当選した。しかも整理番号がかなり早く、前から2列目を確保することができた。ここまででもとてもラッキーだと思うが、まだ続きがある。
ライブの最後でメンバーがステージからオーディエンスに向けて投げたドラムスティックをキャッチすることができたのだ。だが、それをキャッチしたのはわたしの他に2人いた。引っ張り合いになったが仲介が入りじゃんけんをすることになった。
ちなみにわたしはじゃんけんが弱い。肝心なときほど負け、どうでもいいときほど勝ってしまう。だから「今日こそ勝ってやる」という気持ちで挑んだ。すると、勝てたのだ。もちろん、びっくり。こんな体験初めてだし、この先もきっとないだろう。
多分、わたしは運が悪いときはとことん悪い。
けれどここぞってときは案外ラッキーだったりする。
今、面接官からあのときのように「ご自分に『運』はあると思いますか?」と問われたら、自信を持って「あります。重要な場面ほど運のよさを発揮します」と言うだろう。
*1:演者と目が合う合わない問題。答え合わせをしようがないので、わたしが「合った」ということにしています